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Zed 1.12.0の更新点:Git整理、Finder複数選択、CSVフィルタ

Zed 1.12.0 Stableで追加されたGit PanelのStaged/Unstaged分離、Finder複数選択、CSV行フィルタ、変更行限定format-on-saveを1.11.3と比較します。

Zed 1.12.0 Stableは2026年7月23日に公開されました。1.11.3で追加されたGit差分レビュー機能をさらに整理し、Git PanelのStaged/Unstagedグルーピング、File FinderとText Finderの複数選択、CSVプレビューの行フィルタ、変更行だけを対象にしたformat-on-saveなどを追加しています。Preview版だけに書かれていた機能はStable機能として扱いません。

1.12.0の位置づけ

直前のStable 1.11.3は、Staged ChangesとUnstaged Changesを専用マルチバッファで開き、hunk単位のstage、unstage、restoreを行えるようにした更新でした。1.12.0では、その流れをGit Panel側にも広げています。

今回の変更は派手な新機能というより、日常的なレビュー、検索、整形、データ確認の操作回数を減らす内容が中心です。

Git PanelでStagedとUnstagedを分離

1.12.0ではGit PanelにStaging groupingが追加され、ステージ済みと未ステージの変更を分けて確認できます。

1.11.3でも専用のStaged Changes / Unstaged Changesビューは存在しましたが、1.12.0では普段使うGit Panel自体の整理が進みました。コミット対象とまだ作業中の変更が混在するリポジトリでは、状態を視覚的に分けやすくなります。

さらにUnstaged diffからRestore / Restore Allを実行できるようになっています。不要な変更を戻す操作が短くなる一方、restoreは変更内容を失う操作なので、差分確認を省略して使うべき機能ではありません。

File FinderとText Finderで複数選択

File FinderとText Finderは複数項目を選択できるようになりました。

検索結果を1件ずつ開いて確認する作業ではなく、関連する複数ファイルや複数結果をまとめて扱いたい場面で効きます。大規模リポジトリの横断調査や、同じAPIの利用箇所を複数開いて比較する場合に扱いやすくなります。

1.11.3までの検索改善はプレビュー性が中心でした。1.12.0では結果を「見る」だけでなく、複数対象を選んで次の操作へ進む方向へ拡張されています。

CSVプレビューに行フィルタ

CSV previewでは行フィルタが追加されました。

ログ出力やエクスポートデータをコードエディタ内で確認する際に、対象行を絞り込めます。専用の表計算ソフトを開くほどではない小さなCSVを調べる用途では便利です。

ただし、これは本格的な表計算やデータ分析環境の代替ではありません。複雑な式、ピボット、グラフ、巨大データセットを扱う場合は別のツールが適しています。

変更行だけをformat-on-save

1.12.0ではGitで変更した行を対象にフォーマットするmodifications系のformat-on-saveモードが追加されています。

既存コード全体へformatterを適用すると、大量の無関係な差分が生まれることがあります。変更箇所だけに限定できれば、古いコードベースの保守や段階的な整形でレビュー差分を抑えやすくなります。

これは1.10.0でformat-on-saveの既定値が見直された流れとも関係します。自動整形を有効にする場合は、言語ごとのformatter設定とチームのルールを確認した方が安全です。

Markdown画像貼り付けなど

Markdownではクリップボード画像の貼り付けが追加されています。またLSP resultsをプレビュー付きpickerで表示する設定など、検索・参照系の改善も含まれます。

ZedをコードだけでなくMarkdownドキュメント作成にも使う人には、小さいながら実用的な変更です。

修正された問題

公式Stableリリースノートでは、次のような不具合修正も確認できます。

  • 内容が少ないターミナルを縦方向にリサイズした際の揺れ
  • 非ASCII文字を含むpath:row:columnリンクでカーソル位置がずれる問題
  • 空リポジトリやdetached HEADでGit Panel historyが読み込み状態のままになる問題
  • WindowsでGit Panelから未追跡ファイルをTrashへ移す問題
  • Agent生成中にメッセージエディタが十分に展開されない問題

日常利用では、新機能よりこれらの安定性修正の方が影響するケースもあります。

削除・非推奨・Breaking Changes

Stable 1.12.0の公式リリースノートでは、明示的なBreaking Changes、削除、非推奨項目は確認できませんでした。

ここで注意したいのは、Preview 1.12.0に掲載されていたAgent terminalやfetch toolのsandboxingをStable 1.12.0の機能として混同しないことです。Stableのリリースノートに掲載されていない項目は、今回の記事では正式Stable機能に含めていません。

TypeScript 7を利用する場合については、Zed側がtypescript-language-serverではなくtsgo extensionの利用を案内しています。利用環境によってLanguage Serverの選択が変わる点は確認が必要です。

1.11.3との比較

項目1.11.31.12.0
Git差分専用Staged/Unstaged multibufferGit PanelでもStaging grouping
Restorehunk単位の操作Unstaged diffからRestore / Restore All
Finderプレビュー中心複数選択を追加
CSV基本プレビュー行フィルタを追加
format-on-save従来設定Git変更行限定モードを追加
Markdown画像従来操作クリップボード画像貼り付け

向いている人

Git差分をZed内で整理したい人、検索結果を複数開いて比較する人、古いコードベースで変更行だけ整形したい人には更新価値があります。

反対に、今回の更新だけを理由に他エディタから移行するほどの大型機能追加ではありません。Gitクライアント、CSV分析、formatterの高度な運用を専用ツールで完結している場合、恩恵は小さめです。

導入判断

1.12.0は1.11.3のGitレビュー強化を実務運用へ寄せた更新です。特にStaged/Unstagedの整理と変更行限定フォーマットは、レビュー差分を小さく保ちたいチームで使いやすい変更です。

Stableとして公開済みなので、Preview機能を追いたくない利用者も更新対象にできます。ただしformatterやTypeScript周辺は既存設定との相性を確認した上で導入するのが安全です。

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